夜勤はすべてがおかしくなる【夜勤でなくなるモノ】

夜勤はすべてがおかしくなる

少し大げさな表現をしてしまっていることは理解していますが、あえてこう言うことにします。

当ブログでは、夜勤のありのままを語っているため、夜勤をすることによって失われるモノについても語らなくてはいけません。(夜勤はいいところばかりではないということです。)

夜勤によって得られるモノは、ザックリ言うならば

「夜勤手当+深夜割増手当の追加報酬」「自由時間の多さ」

ですが、失われるモノの存在を忘れてはいけません。

【夜勤手当+深夜割増手当の追加報酬】
① 夜勤1回につき、約3000円の夜勤手当追加 (←会社が任意に規定)
② 23時 – 翌5時は、給与25%アップ状態 (←法律に定めアリ)

 

【自由時間の多さ】
① 夜勤前は半休みたいなもの(出勤が17時とかなので、午前はまるまる休みになる)
② 夜勤明けを休みとカウントすれば月の日数の大部分が休みになる(60%くらい?)

この記事は、夜勤で失われるモノについて考察し、警鐘を鳴らしていく内容となっています。

※「そんなリスク関係ないぜYO、夜勤に悪いところなんてないぜYO」という人は、いますぐプラウザバック願います。

夜勤はすべてがおかしくなる【要注意】

重ね重ねになりますが、少し大げさな表現をしていることは理解しています。すみません。

ただし、あらゆる「リスク」は想定しておかなくてはいけないので、このような過剰な表現をしていることはご容赦ください。

※ 世のプラスの側面は、意外にそんな知らなくてもいいんです。だって、プラスを享受できて困ることはないから。

一方、マイナス面は目に見えていなくとも、自分をむしばんでいく可能性を含んでいるので、慎重に対処しなくてはいけません。むしばまれてからでは遅いのです。

ここでは、以下の3つについて警鐘を鳴らします。

【1】正常な自立神経

【2】正常な給与感覚

【3】暦通りの休み

夜勤でなくなるモノ【1】正常な自律神経

自立」神経ではありません「自律」神経です。夜勤をすると、確実に自律神経が乱れます。

【自律神経とは?】
交感神経と副交感神経によって構成される神経で、両者がバランスよく配分されることで「陽が出れば目が覚め、夜になれば眠くなる」という人間としては当たり前のサイクルが回る。ところが、夜勤ではそこを逆行することになる。

 

●交感神経:覚醒を司る。交感神経が優位になると、心拍数が上がり、目が覚める

●副交感:カラダをリラックスさせる。副交感神経が優位になると、心拍数は下がり、眠くなる

電気という発明によって人間は夜の外が暗い時間帯でも活動する術を持ちましたが、人類規模での歴史をさかのぼれば、その期間は極めて短く、人間のカラダは「外が明るくなれば目覚め、暗くなれば眠くなる」ように設計されています。

これは、本能的な、一動物たる人間の仕様です。

ところが、夜勤勤務をすることによって、この仕様とは違った活動を余儀なくされます。

暗くなりはじめる夕方からはたらき始め、陽が昇った後に退勤する夜勤勤務者は、本来の人間の仕様とはまったく逆の生き方をしなくてはいけません。

【本来】
朝 (太陽が昇っている間)→起きる (活動開始)
夜 (太陽が沈んだ後) → 寝る (活動終了)

【夜勤】
お昼過ぎ (太陽が昇っている間)→寝る (活動終了)
夜間 (太陽が昇るまでの間) → 起きる (活動中)

★ 本来あるべきリズムと逆をしている!

自律神経の乱れは「健康被害」を誘発する【寿命の前借り】

夜勤の生活サイクルによって本来あるべきリズムと逆行する生活を送ると、睡眠と覚醒をつかさどる自律神経が乱れ、体調や精神面にムリがくることがあります。(夜勤との相性の問題なので、来ない人もいますが、そこは例外と考えましょう)

【主な症状】
肌荒れ・ニキビ、薄毛、便秘・下痢、頭痛、寝不足。

多くは体調管理がうまくいかず、肉体的に参ってしまうケースが多いです。

ただし、肉体的な不調ではなく、精神的にまいってしまうようなメンタル面でのダメージになることもあります。(具体的には、夜間長時間はたらかなくてはいけないことが嫌になる、等)

そこは気合でどうにかできるものでもないので、業務として夜型体質に適合するのかどうかをきちんと計る必要があります。

(プライベートで夜型でも、仕事として夜勤を続けていけるかはまた別の話。休みの日の夜更かしはできても、業務として夜勤ではたらき続けることができるとは限らない)

夜勤が性に合っているかは別として「夜勤 = 寿命の前借り」という側面を忘れないで下さい。

目に見える形で不調がなくとも、カラダをむしばんでいる可能性はありますので。

夜勤でなくなるモノ【2】正常な給与感覚

夜勤労働により、正常な給与感覚が失われます。

知っての通り、夜勤労働をすると、まったく同じ仕事をしたとしても、日勤労働者よりも多くのお給料がもらえます。これが嬉しくもあり、やや危険なポイントです。

なにが悪さをしているのかと言えば「夜勤手当」と「深夜割増手当」

夜勤は、ベースの給与(基本給)に追加して「夜勤手当」「深夜割増手当」が付きます。

■夜勤手当
:会社が任意で支給している手当で「夜勤1回当たりいくら」という計算をする。目安、3000円/回。1回の夜勤につき3000円だとしたら、月3万円程度が割増されている状態になる

■深夜割増手当
:法律(労働基準法の第37条第4項)に定めのある手当で、23時 – 5時で勤務した分は給与が25%アップする。時間枠は23時から翌5時までなので、夜勤一回の内、6時間が対象

2つの手当は夜勤労働者からすれば、グッとくるポイント(思ったよりもらえてうれしい)なのですが、夜勤をしていることに対する手当なので、当然、夜勤をしなくなれば存在しなくなるお金です。

これらの手当が付くことそれ自体はなんら問題なく、ありがたく受け取ればいいのですが、これらの手当ありきの給与計算をし出すと少々まずいです。給与計算の際には「ほんとうの年収はこれくらいだけど、夜勤手当・深夜割増手当によって、これくらいになっている」という意識を忘れてはいけません。

(月の夜勤回数によっては、2つの手当で合計5万円ほど給与がプラスされることもある)

つまり一見、年収が高いように見えても、夜勤のある仕事からチェンジされたときにベースが落ちることになります。

その辺りの給与感覚は失われないように気を付けていかなくてはいけません。

関連記事;【夜勤のお給料って、どれくらい?】夜勤正社員の給与相場は?【夜勤の残業時間って、どれくらい?】夜勤明けの残業なんてあるの?

夜勤でなくなるモノ【3】暦通りの休み

夜勤はシフト制なので、暦通りの休みは失われます。(なんなら、平日日勤組が出勤しない休日・祝日は夜勤組のはたらき時です。)

そのため、週休2日の土日休みが一般的なサラリーマンとは異なる時間軸を生きることになり、休日調整が恐ろしく組みづらくなります。

休日の夜勤を理由にいけない予定が恒常的に発生します。

もちろん夜勤シフトには、希望休制度があるので、どうしても外せない予定は、あらかじめ確認しておき、希望を出したり、シフト作成時に前もって有給を申請すれば周囲に迷惑をかけることなく休めますが、土日休みのサラリーマンにとって当たり前な「毎週の華金」「土日を使った1泊2日の旅行」などは、必ずしもできるものではないということです。

とくに土日の遊びの誘いは、夜勤を理由に「その日、夜勤だわ」と何度言ったことかわかりません。(行きたくない予定に対して「その日、夜勤だわ」を使えるという離れ技もありますが、その辺りは良し悪しですねw)

また、曜日感覚がなくなります。

平日日勤のサラリーマンからすると「土曜日まであと〇日だから、今日は〇曜日」という計算の仕方をするのは日常茶飯事かと思われますが、シフト制勤務ですと今日が何曜日かどうかは問題ではなくなってくるため「あー、今日は日曜日か。忘れてた」となる場面があります。

また、祝日に敏感ではなくなり「なんか人多いと思ったら、今日祝日だったのか!」というシチュエーションにも遭遇します。

日付・曜日が盤面に示された腕時計もあるみたいなので、そういう人は買ってみてもいいかもね。

夜勤はすべてがおかしくなる【まとめ】

少し大げさだったかと思いますが、少なくとも「夜勤は、何かの犠牲の上に成り立っている」という意識だけは持っていただきたいと思います。

等価交換の法則ですね。鋼錬を思い出します。

また、夜勤によって失われるモノがあるということも念頭に置いておいてください。(おいておいて、って何やねんw)

■夜勤によって失われるモノ

【1】正常な自立神経
:例えるなら「寿命の前借り」

 

【2】正常な給与感覚
:仕事の「成果」だけなく「健康リスク」がお金になっているだけなので、ひとえに「パフォーマンスに対する報酬」とはいいがたい。言ってしまえば
「フィーバータイム」というだけだと理解しておきたい

 

【3】暦通りの休み
:世の中 1/3が夜勤労働者というが、そうはいっても月-金・日勤が基本なので、ややイレギュラーな生活スタイルに強制的になってしまう

夜勤のメリット・デメリットを比較したいという人は「【夜勤のメリット・デメリット】実際、どうなの?」という記事にまとめましたので、こちらも合わせて。

また、夜勤の健康リスクについてより詳しく知りたい方は「【夜勤は寿命を削る?】夜勤の健康リスクを解説します【体に悪い】」をぜひ。